ミア・ハンセン＝ラブ監督の最新作
世界的な人気を誇る俳優レア・セドゥが新境地を開拓した
『それでも私は生きていく』を上映します。

この映画の良さは何よりも「素直さ」にあると思う。
飾りっ気がない、とか、等身大の、などいろいろな形容が浮かぶけれど、そのどれもに当てはまる素直さがある。
ミア・ハンセン＝ラブの映画はどれもが彼女自身の人生の断片で、それらを撮ることでまた生きていくような。多くを語りすぎることなく、時に辛く陰鬱な日々も、かけがえのない光と共にある。少しずつ堆積するエピソードとそのカットの連なるリズムを感じてほしい。レア・セドゥの一瞬ずつに変わり行く顔を見てほしい。

［Official introduction］

第66回ベルリン国際映画祭で銀熊（監督）賞を受賞し、今やフランス映画界を代表する存在となったミア・ハンセン＝ラブ監督の8作目。自身の経験をもとに“悲しみ”と“喜び”、正反対の状況に直面する一人の女性の心の機微を繊細に描き、“人生讃歌”とも言える上質なヒューマンドラマに仕上げた。中でも光るのが主人公サンドラを演じるレア・セドゥの存在感。彼女の起用について、「人間味のある人物としてカメラで捉えたかった」と監督が語る通り、複雑な心境を見事に表現し、第75回カンヌ国際映画祭にてヨーロッパ・シネマ・レーベルを受賞した。エリック・ロメール監督作品を思わせる陽光や草木の緑など、３５ミリフィルムで撮影された温かみのある色彩にも注目だ。

［Story］
わたしは母親で、娘で、恋人
仕事、子育て、父の介護、そして新たな恋に奔走中