8月はギヨーム・ブラックの最新作『みんなヴァカンス』を上映します。

 


 

まずタイトルがすてきです。ボクらの、とか、彼らの、とかじゃない。みんなのヴァカンス。さりげないけどハッとさせられる。立場の違いや温度差はあれど、ヴァカンスはみんなに訪れる。しかし、ヴァカンスが幸福な体験になるとは限らない。実際、この映画のなかでもすったもんだしています。

原題は『à l’abordage』。フランス語で船の搭乗などを意味する言葉で、「乗り込め!」というようなニュアンス。そう、乗り込め。積極的であれど消極的であれど、みんなに平等にやってくるこの時間に、ほんのちょびっと勇気を出して、いたわりと優しさを持って乗り込むことが人生なのだ、きっと。

監督のギヨーム・ブラックはエリック・ロメールやホン・サンスからの影響を公言しながらも、それらの作品とはまた違った魅力で溢れています。さりげないエピソードを繋いで物語に引き込むリズムは、どこまでも軽やかで、明るくて優しい。登場人物たちの率直さや切実さに触れるたび、「これは私たちの映画だ」と思わせられます。

「宝石のような映画」というコメントがどこかに書いてあったけれど、宝石は当たり前の時間の中に忘れられたようにあって、拾い上げられ磨かれることで現れる。夏の一日の光の変化をなぞるように、きらめくみんなのヴァカンスを見つけにきてください。

 


 

[Official introduction]
女の子、もてない男、水遊び、サイクリング、嫉妬、諍い……勢いにまかせて夏を謳歌しようとする若者たちの姿を、『女っ気なし』『7月の物語』のギヨーム・ブラック監督がやさしい眼差しで描いた青春映画。南フランスのきらびやかな風景の中、不器用で愛おしいヴァカンスが、静かに映し出されていく。

[Story]
夏の夜、セーヌ川のほとりフェリックスはアルマに出会い、夢のような時間を過ごす翌朝アルマはヴァカンスへ旅立ってしまう。フェリックスは親友のシェリフ、相乗りアプリで知り合ったエドゥアールを道連れに、彼女を追って南フランスの田舎町ディーに乗りこ。自分勝手で不器用なフェリックスと、生真面目なエドゥアール、その仲を取り持つ気の優しいシェリフ。サイクリング、水遊び、恋人たちのささやき。出会いとすれちがい、友情の芽生え…… 3人のヴァカンスも、みんなのヴァカンスも、まだはじまったばかり──

[ギヨーム・ブラック監督コメント]
私の新しい映画『みんなのヴァカンス』をみなさんに紹介できて嬉しく思います。夏の物語、かなわぬ恋、さまざまなバックグラウンドを持つ若者たちの混沌とした友情。みなさんがたくさん笑って、少しだけ涙を流してくれることを願っています。

 

 

監督:ギヨーム・ブラック
撮影:アラン・ギシャウア
出演:エリック・ナンチュアング、サリフ・シセ、エドゥアール・シュルピス、アスマ・メサウデンヌ、アナ・ブラゴジェヴィッチ、リュシー・ガロ、マルタン・メニエ、ニコラ・ピエトリ、イリナ・ブラック・ラペルーザ

2020 | フラン | フランス語 | カラー | 100 | 1.66 : 1 | 5.1ch | DCP | 原題À l’ABORDAGE | 字幕翻訳高部義之 | 配給エタンチェ | 宣伝:大福、木村洋子 | ©2020–Geko Films–ARTE France

 

PLESS Link

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『みんなのヴァカンス』

nippon.com
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c030187/

CREA
https://crea.bunshun.jp/articles/-/37681

LEE
https://lee.hpplus.jp/column/2387430/

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『やさしい人』

NOBODY ギヨーム・ブラック×三宅唱対談
https://www.nobodymag.com/interview/guillaumebrac2/

OUTSIDE IN TOKYO
http://www.outsideintokyo.jp/j/interview/guillaumebrac/

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『遭難者』『女っ気なし』

Nobody
https://www.nobodymag.com/interview/guillaumebrac/index2.html

神戸映画資料館 映画時評
https://kobe-eiga.net/webspecial/review/2013/11/第十七回『女っ気なし』/

上映スケジュール・予約はこちら

【上映期間】

2022/8/26(金) 27(土) 28(日) 9/2(金) 3(土) 4(日) 5(月) 7日間

【料金】

一般・シニア   1,800円
25歳以下     1,300円
中・高校生    1,000円
早期夜割     1,300円
同作品リピート割 1,000円
全作品鑑賞券   4,000円

【上映時間】

100分(1時間40分)
各回30分前に開場します